本件は、会社で使用していた梯子の脚が突然折れて従業員が怪我をしたので会社が従業員に損害賠償金を支払ったことから、この会社が梯子の製造会社に求償するために製造物責任に基づく損害賠償を請求したものです。
製造物責任を追及するためには製造物に欠陥があることを原告が証明しなければなりませんが、欠陥を具体的に証明することは難しいので、消費者保護の観点から欠陥の立証の程度を緩和すべきとされていました。
日本では、東京地裁2012年1月30日判決において、「欠陥の意義、法の趣旨が被害者保護にあることなどに照らすと、原告は欠陥の存在を主張、立証するために、当該製造物を適正な使用方法で使用していたにもかかわらず、通常予想できない事故が発生したことを主張、立証することで足り、それ以上に欠陥の部位やその態様等を特定した上で、自己が発生するに至った科学的機序まで主張立証すべき責任を負うものではないと解するのが相当である」とし、「普通に使っていたらあり得ない事故が発生した」ことを証明すればよいとしました。
本件は、原告が「普通に使っていたらあり得ない事故が発生した」ことを証明し、被告が「欠陥以外の原因で事故が発生した」ことを証明できなければ、製造物に欠陥があることを認定するとしましたが、これは、原告が欠陥の評価根拠事実を主張立証し、被告が欠陥の評価障害事実を主張立証しなければならないと判示したと解釈でき、製造物の欠陥を一般の過失のように理解しているものと思われます。
以下は、判決の一部抜粋です。